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有力騎手、調教師、馬主、種牡馬紹介

騎手(有力騎手、調教師、馬主、種牡馬紹介)

  • ジュリアン・ルパルーJulien Leparoux

    1983年フランス出身。生まれ育ったサンリスは同国の競走馬調教のメッカであるシャンティイから近く、父のロバートは騎手を経て副調教師に転じた生粋の競馬人で、ルパルーも厩務員としてキャリアを積んだ。そして2003年に研修ビザを取得し、元フランスのトップトレーナーで当時カリフォルニア州サンタアニタパーク競馬場を拠点としていた、パトリック・ビアンコーヌ調教師に師事してプロの騎手としての修行を始めた。2005年騎手免許取得。厩舎が春季にケンタッキー州キーンランド競馬場、夏季にニューヨーク州サラトガ競馬場へ移動する際に帯同し、米国きっての激戦区であるサラトガ開催では、見習い騎手としては異例の28勝を挙げた。その年の冬はサンタアニタに戻らず、ケンタッキー州のターフウェイパーク競馬場を拠点とし同場のシーズン最多勝を記録。翌2006年はチャーチルダウンズ競馬場、そしてキーンランド競馬場春季開催で最多勝記録をマークし、エクリプス賞最優秀新人騎手のタイトルを獲得した。フランス仕込みの柔らかい手綱捌きは、前々で競馬をしたがる米国馬の気性を上手くコントロールしており、発走後は控えて脚を溜め、勝負所で僅かな隙間から1頭ずつ抜くスタイルを得意とする。これは当時広まり始めた全天候型馬場にも適応する騎乗スタイルであった。さらに米国型のワンペースで組み立てる騎乗スタイルもこなし、騎乗法の引き出しを増やして勝利数を伸ばしている。通算2278勝、今季は111勝を挙げており、初夏にはテピンとロイヤルアスコット開催へ遠征しクイーンアンSで優勝している。

  • ホセ・レスカーノJose Lezcano

    1985年パナマ出身。母国出身の名騎手、ラフィット・ピンカイ・ジュニアが設立した騎手学校に学び、同国でデビュー。2003年1月に米国へ移籍し、冬季に東海岸の有力馬が集うことで知られるガルフストリームパーク競馬場を拠点にレース活動を始める。以後、順調に成績を伸ばし、2006年にメドウランズ競馬開催でリーディングタイトルを獲得すると騎乗依頼が増加。同年のフロリダ州でG3タンパベイダービーをデピュティグリッターズで制し、重賞初制覇を遂げる。その後、夏季の主戦場をフロリダからニュージャージー州へ移すと、同州最大のモンマスパーク競馬場を中心に騎乗。2008年に同競馬場で長年活躍したジョー・ブラボー騎手を141勝で追い抜き最多勝タイトルを獲得した。翌春のガルフストリーム開催でも71勝でトップ。常に全米ランクの上位を維持できる最大の理由は、ダートと芝の双方で成績を残せることだろう。2013年、ブリーダーズカップマイル連覇を狙うワイズダンは、直前に主戦のジョン・ヴェラスケス騎手が落馬により負傷。レスカーノの長所を知るチャールズ・ロプレスティ調教師はすぐさま彼に騎乗依頼し、かかる重圧の中、連覇を達成している。向正面で一旦馬をリラックスさせることによりレース後半部分をしっかりと乗れるその騎乗スタイルで、入着率を高めている。通算2252勝、今季は77勝。

  • ジョン・ヴェラスケスJohn Velasquez

    1971年プエルトリコ出身。騎乗数3万898回。通算5603勝。生涯獲得賞金は米国競馬史上最高の3億5295万6313ドル。獲得総賞金を現行のレートで換算すると約353億円。日米の賞金水準を考慮すれば、この記録がさらに輝きを放って見える。母国と米国双方で競馬殿堂入りした一流騎手。1988年に母国の騎手学校に入学し、1990年に騎手免許取得。その後、ニューヨークへ移動し、名騎手アンジェロ・コルデロ・ジュニアに付き騎乗技術や米国生活に馴染む術を吸収した。コルデロは後日、ヴェラスケスの代理人として騎乗依頼獲得のため奔走するようになる。初重賞獲得は1991年のオハイオダービーで、翌年ベルモント競馬場で行われたターフクラシック招待SでG1初優勝。この頃から冷静でミスが少ない彼の騎乗ぶりは東海岸の有力調教師達の信頼を得るのに寄与し、特に大レースではとても頼りになる存在となった。ゲートが開いたら勝つための位置取りをスムーズに行う。育成牧場や厩舎はそのための躾を管理馬に課す。そんなコラボレーションが成績に結びつき、ベテランとなった今でも競争激しい北米リーデイングで4位に付けている。三冠競走初制覇は2007年のベルモントS。それまで三冠競走には21回騎乗して未勝利と無縁だったが、牝馬ラグズトゥリッチズに騎乗すると、本命馬カーリンを下して優勝。管理するトッド・プレッチャー調教師にとってもこれが三冠競走初勝利であった。2011年には負傷したロビー・アルバラード騎手の代役でダート未経験のアニマルキングダムに騎乗し、大番狂わせのケンタッキーダービー制覇を果たした。現在は負傷した騎手を支援する福祉団体のトップとしても活躍している。

(文:吉田直哉)

(2016年9月27日現在)

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