このページは2004年に制作されたものです

天才騎手を呆然とさせたグラスワンダーの底力
平成11年有馬記念 グラスワンダー



【GI3勝、それでも勝利を求められたスペシャルウィーク】
振り返ってみると、1995年生まれの外国産馬たちには世界レベルの逸材が揃っていた。フランス遠征で日本調教馬の強さを世界に知らしめたエルコンドルパサー、短距離から長距離まで底知れぬ強さを発揮したグラスワンダー、ヨーロッパの短距離GIで2勝をあげたアグネスワールド。これらの強豪が活躍していた頃、外国産馬は日本のビッグレースで多くの出走制限を受けていたのだが、このことが逆に、同世代の内国産馬の雄を苦しめる結果になったことは皮肉だった。上記3頭と同世代のダービー馬スペシャルウィークは、5歳時に春秋の天皇賞とジャパンCを制している。例年なら文句なしに年度代表馬に選出されていたはずだが、この年の宝塚記念でスペシャルウィークは初対戦となったグラスワンダーに3馬身差を付けられる完敗を喫していた。2度目の対戦となる有馬記念で再びグラスワンダーに敗れれば、GI勝利数では上回っていてもタイトルを逃す可能性が大きい。さらに、海外ではエルコンドルパサーが華々しい活躍を見せていた。スペシャルウィークが現役最強を印象付けるには、有馬記念でグラスワンダーを打ち負かすしかなかったのだ。

【2強、1番人気はグラスワンダー】
有馬記念での引退が決まっているスペシャルウィークは秋の天皇賞、ジャパンCを連勝して勢いに乗っての出走。対するグラスワンダーは毎日王冠優勝後に左肩の筋肉痛が出てしまい、ぶっつけでの有馬記念出走だった。「1週前に比べれば、随分と良くなったが・・・」と、直前の追い切りを終えてもグラスワンダー騎乗の的場均の表情は冴えない。“あとはこの馬の底力に期待するしかない”が、関係者の偽らざる思いだった。しかし、それでもファンの評価は1番人気グラスワンダー、2番人気がスペシャルウィーク。それは僅かの差ではあったが、スペシャルウィーク陣営にとっては心中穏やかではない評価だったのではないだろうか。

【猛追凌いだグラスワンダーの底力】
レースは緩やかな流れで進んだが、スペシャルウィークの末脚を信じる武豊は迷いなく最後方を進む。レースが動いたのは3コーナー過ぎ。中団を進んでいたグラスワンダーが外に出して進出を開始すると、武もスペシャルウィークを促し一気に好位グループへ取り付く。ゴール前で抜け出しにかかるグラスワンダーを、スペシャルウィークは力強く捕らえてそのまま押し切ったかに見えた。会心の勝利に酔い、小さなガッツポーズを見せる天才。しかし、勝利の女神は彼とスペシャルウィークに微笑まなかった。坂を上がってからの叩き合いで外のスペシャルウィークに押され気味だったグラスワンダーだが、ゴールまでしぶとく食い下がり、したたかにも決勝線通過のその一瞬だけ、スペシャルウィークの内から体を伸ばしていたのだ。その差は僅かに4センチ。結果的にエルコンドルパサーに年度代表馬の座をさらわれてしまう2頭だが、それによって名勝負の価値は色褪せるものではない。天才騎手の鮮やかな手綱さばきを、ハナ差で凌いだグラスワンダーの底力を讃えたい。

(年齢は旧表記)





H11 有馬記念


S38 日本ダービー メイズイ
S40 有馬記念 シンザン
S42 阪神大賞典 キーストン
S47 日本ダービー ロングエース
S48 弥生賞 ハイセイコー
S48 日本ダービー タケホープ
S50 桜花賞 テスコガビー
S51 朝日杯3歳S マルゼンスキー
S52 有馬記念 テンポイント
S56 ジャパンC メアジードーツ
S58 菊花賞 ミスターシービー
S59 ジャパンC カツラギエース
S59 有馬記念 シンボリルドルフ
H01 ジャパンC ホーリックス
H02 有馬記念 オグリキャップ
H05 有馬記念 トウカイテイオー
H08 阪神大賞典 ナリタブライアン
H10 毎日王冠 サイレンススズカ
H11 有馬記念 グラスワンダー
H12 有馬記念 テイエムオペラオー
H13 JCダート クロフネ
 
当サイトのムービーはMicrosoft Windwos MediaPlayerを使用しております。
 1999年 第44回 有馬記念(GI)

34093 1999年12月26日
5回中山8日9R   2500m  芝・右   天候:晴 
  芝:良 
  発走 15時 20分

本賞
  132,000,000円   53,000,000円   33,000,000円   20,000,000円   13,200,000円
付加賞
  3,234,000円   924,000円   462,000円
 







馬 名


騎手名
調教師名
タイム
着差
単勝
人気
1
4
7
グラスワンダー

5
 
的場 均
尾形 充弘
2:37.2

(1)
2
2
3
スペシャルウィーク

5
 
武 豊
白井 寿昭
2:37.2
ハナ
(2)
3
6
11
テイエムオペラオー

4
 
和田 竜二
岩元 市三
2:37.2
クビ
(5)
4
6
10
ツルマルツヨシ

5
 
藤田 伸二
二分 久男
2:37.3
1/2
(6)
5
7
13
メジロブライト

6
 
河内 洋
浅見 秀一
2:37.5

(3)
6
8
14
ゴーイングスズカ

7
 
芹沢 純一
橋田 満
2:37.5
クビ
(14)
7
1
1
ナリタトップロード

4
 
渡辺 薫彦
沖 芳夫
2:37.8
1・3/4
(4)
8
7
12
ファレノプシス

5
 
蛯名 正義
浜田 光正
2:38.1
1・3/4
(9)
9
5
9
フサイチエアデール

4
 
福永 祐一
松田 国英
2:38.1
アタマ
(10)
10
3
5
ステイゴールド

6
  熊沢 重文
池江 泰郎
2:38.2
1/2
(8)
11
2
2
スエヒロコマンダー

5
  後藤 浩輝
松元 茂樹
2:38.2
クビ
(12)
12
8
15
ダイワオーシュウ

6
  柴田 善臣
二ノ宮 敬宇
2:38.3
1/2
(11)
13
3
4
ユーセイトップラン

7
  松永 幹夫
音無 秀孝
2:38.9
3・1/2
(13)
14
4
6
シンボリインディ

4
  横山 典弘
藤沢 和雄
2:39.2

(7)

5
8
インターフラッグ

7
  岡部 幸雄
工藤 嘉見

競走除外
-

(年齢は旧表記)