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血のつながりを実感する歓び。競馬にそんな楽しみがあることを、三冠制覇という最高のパフォーマンスで、私に教えてくれた馬である。
父のトウショウボーイは、1年浪人して入った大学時代に走っていた馬だ。留年を繰り返し、6年たっても卒業できずにやめたから、社会に出たときは26歳になっていた。
いや、正確には放り出されたというべきか。だから社会人としての第一歩は、早い話がプータローだった。自分がこれから何をすべきか、どう生きていくべきか。暗中模索の時代で、トウショウボーイのことなどすっかり忘れていた。
そうこうするうち、人の紹介である作家に弟子入りすることになった。ところが、この人、大の競馬好き。土曜日ともなればタクシーを飛ばし、朝の第1レースから駆けつける。
こちらは、お供。やれやれ、とんだところに弟子入りしたもんだと思ったが、気がついたら師匠より夢中になっていた。それが昭和58(1983)年の春、ミスターシービーがクラシック候補に躍り出たころだ。
当時、内国産種牡馬は輸入種牡馬よりも劣ると聞いていた。だから皐月賞はともかく、ダービーは半信半疑だった。父のトウショウボーイはスタミナに泣いている。しかし終わってみれば、失速するどころかスピードを加速させ、長い直線を駆け抜けていた。
それ以上に驚かされたのが菊花賞だ。タブーとされた第3コーナーからの早仕かけ。だが、そこから延々と長い脚を使い、3馬身もちぎって三冠達成のゴールを駆け抜けていた。シンザン以来19年ぶりの快挙だった。
父になかったスタミナを子が持っている。それが不思議でならなかった。そのとき友人から「母の父がステイヤーなんだ」と聞いて、納得したものだ。それが血統の勉強を始めるきっかけとなり、今日への道しるべにもなった。迷いの時代に、感動の三冠馬にめぐり会えたことを、いまも感謝している。
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(吉沢譲治) |
ミスターシービー
牡馬 黒鹿毛
昭和55年4月7日生まれ
馬主 千明牧場 |
トウショウボーイ
1973 鹿毛 |
テスコボーイ
1963 黒鹿毛 |
ソシアルバターフライ
1957 鹿毛 |
シービークイン
1973 黒鹿毛 |
トピオ
1964 黒鹿毛 |
メイドウ
1965 鹿毛 |
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年月日 |
場 |
レース名 |
格 |
距 離 |
着順 |
騎 手 |
タイム |
調教師 |
| 01 |
1982.11.06 |
東 京 |
3歳新馬 |
---- |
1600 |
1 |
吉永 正人 |
1.38.5 |
松山 康久 |
| 02 |
1982.12.04 |
中 山 |
黒松賞 |
---- |
1600 |
1 |
吉永 正人 |
1.36.3 |
松山 康久 |
| 03 |
1982.12.25 |
中 山 |
ひいらぎ賞 |
---- |
1800 |
2 |
吉永 正人 |
1.50.4 |
松山 康久 |
| 04 |
1983.02.13 |
東 京 |
共同通信杯4歳S |
---- |
1800 |
1 |
吉永 正人 |
1.49.5 |
松山 康久 |
| 05 |
1983.03.06 |
中 山 |
弥生賞 |
---- |
1800 |
1 |
吉永 正人 |
1.50.2 |
松山 康久 |
| 06 |
1983.04.17 |
中 山 |
皐月賞 |
---- |
2000 |
1 |
吉永 正人 |
2.08.3 |
松山 康久 |
| 07 |
1983.05.29 |
東 京 |
東京優駿 |
---- |
2400 |
1 |
吉永 正人 |
2.29.5 |
松山 康久 |
| 08 |
1983.10.23 |
京 都 |
京都新聞杯 |
---- |
2000 |
4 |
吉永 正人 |
2.03.2 |
松山 康久 |
| 09 |
1983.11.13 |
京 都 |
菊花賞 |
---- |
3000 |
1 |
吉永 正人 |
3.08.1 |
松山 康久 |
| 10 |
1984.10.07 |
東 京 |
毎日王冠 |
GII |
1800 |
2 |
吉永 正人 |
1.47.5 |
松山 康久 |
| 11 |
1984.10.28 |
東 京 |
天皇賞(秋) |
GI |
2000 |
1 |
吉永 正人 |
R1.59.3 |
松山 康久 |
| 12 |
1984.11.25 |
東 京 |
ジャパンC |
GI |
2400 |
10 |
吉永 正人 |
2.28.2 |
松山 康久 |
| 13 |
1984.12.23 |
中 山 |
有馬記念 |
GI |
2500 |
3 |
吉永 正人 |
2.33.3 |
松山 康久 |
| 14 |
1985.03.31 |
阪 神 |
サンケイ大阪杯 |
GII |
2000 |
2 |
吉永 正人 |
2.01.4 |
松山 康久 |
| 15 |
1985.04.29 |
京 都 |
天皇賞(春) |
GI |
3200 |
5 |
吉永 正人 |
3.22.3 |
松山 康久 |
(年齢は旧表記)
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ミスターシービー号 栄光の軌跡 (協力:フジテレビ、関西テレビ)
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