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競走馬の能力の高さと脚部故障の不安は、哀しいかな、まま比例する。サクラローレルは、その典型のような馬だった。平成6年、ナリタブライアンの強さに沸いた旧4歳春のクラシックシーズンは、右後肢の球節炎に泣かされ、リタイアした。しかし、秋に復帰してからは、一戦ごとに力をつけて、翌7年正月の中山で日刊スポーツ賞金杯を快勝するまでに成長する。
ところが、である。ようやく本格化したと思われたその年、天皇賞(春)を目指しての調教中に、今度はなんと両方の前脚を骨折してしまうのだ。普通ならば、その時点で引退を余儀なくされて不思議のない重傷である。けれども陣営の執念とサクラローレルの忍耐強さが、「奇跡」を起こした。
13か月もの休養を経て、復帰戦の中山記念をいきなり制すると、次走の天皇賞(春)をも豪快に差し切って、ものにしたのだ。
この栄冠は、ナリタブライアンやマヤノトップガンといった強豪を退けてのものだけに価値があった。それからも、サクラローレルはライバル馬以前に、自身の脚元の不安とも戦いながら、走りつづけた。そうして、暮れの有馬記念でも強さを見せつけ、あっさりと年度代表馬の座につくのだから、恐れ入る。
掻き込む力の強い、独特のフットワークの持ち主だった。"重厚感あふれる切れ味"が魅力だった。その血統的背景もあいまって、パワーを要求されるヨーロッパの芝コースでの活躍を見てみたい、と思わせる馬だった。わたしたちファンの描くその夢は、じつは陣営の人々が強く意識していたのだと後に知ることになる。
9年の天皇賞(春)(2着)のあとの休養を挟んで、サクラローレルは、フランスへと渡ったのだ。もちろん「凱旋門賞制覇」を夢見ての旅路である。だが、怪我だけには勝てなかった。ステップレースのフォワ賞(ロンシャン競馬場)のレース直後に右前脚屈腱炎が判明し、ついに引退が決まったのである。
残念な結果ではあったが、しかし、これほど大きな夢を抱かせてくれた馬も珍しい。諦めずに挑戦すること。その大切さをわたしたちに教えてくれたサクラローレル。厳しい冬の時代だからこそ、いま改めて静かに感謝を捧げたい。
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(渡瀬夏彦) |
| SPECIAL MOVIE |
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H8 天皇賞(春) |
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| H8 有馬記念 |
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サクラローレル
牡馬 栃栗毛
平成3年5月8日生まれ
馬主 (株)さくらコマース |
Rainbow Quest
1981 鹿毛 |
Blushing Groom
1974 栗毛 |
I Will Follow
1975 鹿毛 |
ローラローラ
1985 栗毛 |
Saint Cyrien
1980 鹿毛 |
Bold Lady
1974 栗毛 |
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年月日 |
場 |
レース名 |
格 |
距 離 |
着順 |
騎 手 |
タイム |
調教師 |
| 1 |
1994.01.06 |
中 山 |
4歳新馬 |
新馬 |
1600 |
9 |
小島 太 |
1.37.9 |
境 勝太郎 |
| 2 |
1994.01.15 |
中 山 |
4歳新馬 |
新馬 |
1600 |
3 |
小島 太 |
1.37.8 |
境 勝太郎 |
| 3 |
1994.01.30 |
東 京 |
4歳未勝利 |
未勝 |
D1400 |
1 |
小島 太 |
1.26.6 |
境 勝太郎 |
| 4 |
1994.02.19 |
東 京 |
春菜賞 |
500 |
1600 |
6 |
小島 太 |
1.35.9 |
境 勝太郎 |
| 5 |
1994.03.06 |
中 山 |
4歳500万下 |
500 |
D1800 |
2 |
O.ペリエ |
1.54.1 |
境 勝太郎 |
| 6 |
1994.03.26 |
中 山 |
4歳500万下 |
500 |
D1800 |
1 |
小島 太 |
1.53.9 |
境 勝太郎 |
| 7 |
1994.04.30 |
東 京 |
青葉賞 |
GIII |
2400 |
3 |
小島 太 |
2.28.9 |
境 勝太郎 |
| 8 |
1994.09.04 |
新 潟 |
佐渡S |
900 |
2000 |
3 |
小島 太 |
2.01.3 |
境 勝太郎 |
| 9 |
1994.09.25 |
中 山 |
セントライト記念 |
GII |
2200 |
8 |
的場 均 |
2.17.0 |
境 勝太郎 |
| 10 |
1994.10.15 |
東 京 |
六社特別 |
900 |
1800 |
2 |
小島 太 |
1.47.5 |
境 勝太郎 |
| 11 |
1994.10.30 |
東 京 |
秋興特別 |
900 |
2000 |
2 |
小島 太 |
2.01.5 |
境 勝太郎 |
| 12 |
1994.11.20 |
京 都 |
比良山特別 |
900 |
2200 |
1 |
小島 太 |
2.14.1 |
境 勝太郎 |
| 13 |
1994.12.18 |
中 山 |
冬至S |
1500 |
2500 |
1 |
小島 太 |
2.33.5 |
境 勝太郎 |
| 14 |
1995.01.05 |
中 山 |
金杯(東) |
GIII |
2000 |
1 |
小島 太 |
2.00.5 |
境 勝太郎 |
| 15 |
1995.02.19 |
東 京 |
目黒記念 |
GII |
2500 |
2 |
小島 太 |
2.31.2 |
境 勝太郎 |
| 16 |
1996.03.10 |
中 山 |
中山記念 |
GII |
1800 |
1 |
横山 典弘 |
1.47.2 |
境 勝太郎 |
| 17 |
1996.04.21 |
京 都 |
天皇賞(春) |
GI |
3200 |
1 |
横山 典弘 |
3.17.8 |
境 勝太郎 |
| 18 |
1996.09.15 |
中 山 |
オールカマー |
GII |
2200 |
1 |
横山 典弘 |
2.16.7 |
境 勝太郎 |
| 19 |
1996.10.27 |
東 京 |
天皇賞(秋) |
GI |
2000 |
3 |
横山 典弘 |
1.58.9 |
境 勝太郎 |
| 20 |
1996.12.22 |
中 山 |
有馬記念 |
GI |
2500 |
1 |
横山 典弘 |
2.33.8 |
境 勝太郎 |
| 21 |
1997.04.27 |
京 都 |
天皇賞(春) |
GI |
3200 |
2 |
横山 典弘 |
3.14.6 |
小島 太 |
| 22 |
1997.09.14 |
仏 |
フォワ賞 |
GIII |
2400 |
8 |
武 豊 |
- |
小島 太 |
(年齢は旧表記)
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サクラローレル号 栄光の軌跡
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